シリーズ
世界鳥瞰

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アップル、手数料30%は法外か
人気ゲーム「フォートナイト」の開発元が、アップストアでの売り上げにかかる手数料が反競争的だと主張している。アップストア内でのアプリ配信や課金システムのみならず、独自の課金システムの利用を許可すべきだと訴える有力アプリ開発…
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覇権奪回に苦しむ米半導体業界
米国はかつて半導体産業を打ち立てた。だが今や国内で製造する先進チップはその12%にすぎない。米政府は安全保障上の理由からも製造の国内回帰を望むが、インテルでさえ製造技術で後れを取っている。米議会は支援法案を準備し、受託製…
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新型コロナ危機収束後、移民を妨げるな
新型コロナウイルスの感染拡大が収束に向かえば、移民の受け入れ問題が再び浮上するだろう。外国人は感染をもたらす、移民は雇用を奪う、との懸念が広がる。しかし、いずれも根拠のある話ではない。移民排除はむしろ国を貧しくする処方箋…
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観光業失速が導く危機の第2幕
新型コロナ危機がもたらした観光業の失速が、次なる危機の起点となる恐れが指摘される。米国では観光業だけで1700万人が失業の危機にさらされている。これが不動産、消費、行政サービスに波及しかねない。大恐慌の起点となった穀物価…
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中国5000年の歴史も政治が左右
黄河流域に位置する双槐樹遺跡には中国高官が足しげく訪れる。約5000年前に文明が存在した証しとされる。この文明を継承する取り組みは、共産党による統治の正統性を示す役割の一端を担う。中国において、歴史と政治は不可分な関係に…
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ポンペオ米国務長官の対中強硬発言を無知と呼ぶ理由
米国のポンペオ国務長官が7月、中国共産党と習近平国家主席を名指しで批判する演説を行った。ニクソン大統領(当時)が取り組んだ米中関係の正常化は失敗に終わったと断ずるが、それは誤った認識に基づく。ニクソン政権は中国を西側に取…
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コロナワクチンが完成しても接種したくない理由
米国には、新型コロナに有効なワクチンが開発されたとしても接種を受けないと言う人々がかなりいる。拙速な開発に不安を覚えるのは当然だが、体制側に属す科学界に対する不信も大きい。不確かな情報や陰謀説が拡散するインフォデミックに…
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米中に翻弄されるTikTok、最も恐れるシナリオは
中国バイトダンスが提供するTikTokは、初めて世界を席巻した中国生まれのアプリと言っても過言ではない。だが同社と中国政府の関係を懸念する米国政府はこのアプリの禁止を示唆し、インドではすでに禁止された。バイトダンスは対策…
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美術品の高騰が示す消費の二極化
パンデミックの最中、美術品やリゾート地の土地の値段が高騰するなど、高額品消費が堅調な動きを見せている。コロナ禍で世界の中央銀行が金融緩和を実施したことで、資産価格が上がり、富裕層の消費が活発化した。一部の資産家がさらに富…
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トランプ氏の「手先」が持つ闇の力
米大統領選で劣勢にあるトランプ陣営はリベラルと保守の対立をあおることで再選のきっかけをつかもうとしている。米連邦職員を大都市に派遣する超法規的な手段で抗議デモの過激化を演出しようとするが、うまくいっていない。しかし、大統…
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新型コロナ危機、再開後の経済を決める要因は何か
新型コロナ危機からの経済回復が当初予想されたようなV字になるかどうかは、各国の状況次第だ。ロックダウンの期間と厳しさ、政府からの給付金の多寡、消費者心理などが影響する。だが、消費者心理は感染状況を反映して容易に揺れ動く。…
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“留学封鎖”が加速する米中分断
米中関係が悪化を続ける中、米国は近く、中国人留学生を事実上締め出す措置を講じる考えだ。これは賢明な措置とは言えない。中国のエリート学生は「世界市民」になるべく米国を目指す。政治が留学の窓を閉ざす事態は19世紀にも生じた。…
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フェイスブック、住む場所で給与を増減させるのは公正か
フェイスブックは2021年1月から、従業員が住む場所の生活コストに応じて、給与の額を増減させる考えだ。同一の成果を上げているにもかかわらず、住む場所によって報酬が変わるのは公正か、意見は分かれる。英国で行われたある調査で…
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米シェール革命の先駆、チェサピークがついに破綻
米国のシェール革命を主導した米チェサピーク・エナジーが連邦破産法11条の適用を申請した。自社の事業モデルに自信を持ちすぎ、シェールガスからオイルへの転換に乗り遅れたことが要因の一つだ。だが、その過剰な自信こそが米国のエネ…
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中国伝統の印章が企業間紛争の源に
中国では、印章によって、企業が発する公式文書の正統性を担保する。この伝統システムが、欧米企業とのトラブルの源になっている。英アームの中国合弁会社では、CEOを解任する取締役会の決定が、社印を押した文書によって取り消された…
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一帯一路に陰り、親中パキスタンの離反
パキスタンはこれまで、中国が進める一帯一路構想のショーケースの役割を果たしてきた。しかし、この関係が変わりつつある。パキスタンのカーン首相が中国企業の不正を暴く報告書を公にしたのだ。パキスタンはこれを材料に、債務繰り延べ…
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暴露本があらわに、再選しか眼中にないトランプ対中政策
前大統領補佐官によるトランプ政権の内部を描いた暴露本で、トランプ氏の対中政策の問題点があらわとなった。彼の対中交渉のスタンスは自身の大統領再選に有利に働くか否かで、国益をまったく考えていなかったのだ。こうした姿勢は中国を…
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米保守はどこで道を誤ったのか
米国の保守主義運動は20世紀の半ばから行政・立法・司法に人材を送り込み、政治勢力を固めてきた。だが社会的には成果を上げられず、性的少数者や移民などの問題でリベラルに敗北を喫し続けている。レーガン政権以降、自由市場経済にと…
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中国EC新興のピンドウドウに急成長のひずみ
低価格を武器に急成長した2015年創立の新興EC、ピンドウドウの株価はこの3カ月、130%上昇した。だが、顧客を引き付ける惜しみない販促策によりその収益は食いつぶされ、足元は利益を出せない状態だ。急速に伸びる流通取引総額…
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いよいよ秒読みか、中国が南シナ海に防空識別圏
南シナ海の岩礁などに軍事施設を建設し海域の実効支配を強める中国が、空に目を向ける懸念が高まる。東シナ海と同じく、南シナ海にも防空識別圏(ADIZ)を設定するとの観測が広がる。米軍もこの海域への意識を再び高めており、周辺諸…