メルケル独首相が、大々的な難民受け入れを宣言してから約2年がたった。その後、批判が巻き起こり、受け入れ数は抑制されているが、一部の難民はドイツ産業に貢献し始めている。NPOなどでデジタル講座を受けた難民を採用する企業が増加。起業する難民も現れた。

ロンドン支局 蛯谷 敏
2000年、日経BP社に入社。本誌編集部で2006年から通信、ネット、金融、政治などを担当。日経ビジネスDigital編集長を経て2014年4月からロンドン支局長。
中東やアフリカから逃れてきた難民を対象とするデジタル講座が広がっている(写真=永川 智子)

 独ベルリン中心部に拠点を構えるデザイン企業の3pc。2017年12月上旬にオフィスを訪れると、8人ほどの“学生”が黙々と講義を受けていた。

 学んでいるのはパソコン向けウェブサイトやスマートフォン向けアプリのデザイン。3pcで働くデザイナーが講師となり、約3カ月にわたって集中的に教える。

 受講生はいずれも中東やアフリカ出身の難民だ。15年9月に、アンゲラ・メルケル独首相が難民を大々的に受け入れると宣言した際に、命がけでドイツに逃れてきた。