世界経済は回復基調にある。しかし投資は危機前より少なく、債務水準は高い。安心はできない。高すぎる債務水準は成長の足かせとなる。金利が上がれば危機が再燃する恐れがある。今こそ、債務依存を解消するとともに、投資を拡大する必要がある。

 世界経済は、各地域が足並みをそろえて回復に向かっている。しかし、この回復を継続させるためには、投資の拡大が必要だ。特に、高所得国での投資増が重要となる。

債務依存の解消が進まない
●企業債務の対GDP比
*1=新興国と中国については2008年 *2=中国を除く
出所:Financial Times/OECD/国際決済銀行

 債務の山が積み上がる状況も持続的な回復を脅かす。この点を、経済協力開発機構(OECD)が公表した最新の経済見通しも指摘している。この報告書は、OECDの非常に優秀なチーフエコノミストだったキャサリン・マン氏が退任前に執筆した最後のものだ。経済が回復する現状に安心するのはもっともなことだが、決して満足してはならないと指摘する。

懸念材料は投資と債務

 OECDは、2017年の世界の経済成長率を3.6%と予測する(16年の3.1%を上回る)。18年には3.7%に達すると見込む。これは1990~2007年の平均に迫る値だ。主要7カ国(G7)の中で、17年の成長率が16年を下回る見通しなのは英国に限られる。世界の成長をけん引しているのは、中国とインドだ。