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安倍政権が進める政策を一言で表せば、「中国と対抗できるよう備える」となる。米国が全面的に頼れる同盟国でない中、日本はインドやオーストラリアといった国々との関係強化を進める。ここで唯一、関与が薄いのが韓国だ。歴史認識問題を乗り越えなければ、日韓はともに主体性を失う。

日本と韓国はその距離を縮めることができるのか(写真=YONHAP NEWS/アフロ)

 パプアニューギニアで11月17日から開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議は、日本の官僚にとっていささか居心地の悪いものだった。

 過去の記憶を呼び起こされたからだ。ニューギニア島は第2次世界大戦における最も残酷な戦いの場の一つとなり、米国およびオーストラリアとの戦いで10万人以上の日本兵が戦死した。

 日本の代表団は、世界の表舞台に立つことがめったにないこの辺鄙な場所が、またもや大国間の争いの場になったとの強い思いを胸に、帰国の途についた。

 APEC首脳会議の開催と軌を一にして、オーストラリアと米国はパプアニューギニア・マヌス島に海軍基地を設置する計画を合同で立てていると発表した。これが南太平洋における中国の影響力拡大を押し返そうとする取り組みの一環であるのは明らかだ。中国はこの地域に巨額の投資を行っており、軍事基地を建設する狙いがあると噂されている。