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個人の健康リスクを測る技術が進歩し、健康保険や生命保険のあり方を変えつつある。実際、アップルウオッチを使ってエクササイズと保険料を連動させる動きが始まった。遺伝子検査が生命保険に関連づけられるようになると、保険はもはや保険ではなくなる。

 生命保険会社はかつて、人々に、思わぬ若さで死んだとしても家族を守るための保険契約を販売していた。それが次第に、健康になる動機を人々に与える保険を販売するようになった。

 そのほうが魅力的に響くし、実際うまくいくと思える。40万人のデータを使った研究によって、保険料が安くなるなどの利点があれば、人々はより多くの運動をすることが分かっている。これは、技術が進歩し保険がパーソナライズ(個人化)されていることの一つの表れだ。つまり、リスクの低い顧客には好条件の保険を提示できる。

 しかし、パーソナライズされた生命保険は、本当に保険契約なのだろうか。それとも何かほかの、例えば保険外医療や会員制ジムのように、利用する個人ごとにあつらえたサービスなのだろうか。役に立つならどちらでもかまわないと言う人もいるだろう。だがこの点は、デジタル技術と遺伝子工学が発展する未来世界の保険において、決定的に重要になる。