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トランプ米大統領がFRBの金利引き上げを非難し、FRBはそれを受け方針を緩めたように見える。しかし実際には、FRBはデータを見ながら慎重に金融政策を決めているにすぎない。大統領はFRBやGMを意図的に攻撃し、米経済の悪化や自動車輸出への脅威から人々の目をそらせている。

 投資家は、ドナルド・トランプ米大統領の発言をどのように「読む」べきだろうか。この問題は過去2年間、世界中で果てしない議論を巻き起こしてきた。しかし、ここに新たな答えを示そう。アガサ・クリスティの小説のように読め、という答えだ。

 そう、クリスティだ。彼女のミステリー小説のファンなら、ストーリーが進むにつれて登場し、人々の関心を集めるものが事件の真相を覆い隠す重要な役目を果たすのを知っている。名探偵エルキュール・ポワロは、キッチンで大きな物音がしたら、書斎で死体を探す。あるいは、人々の騒ぎをよそに、当たり前の光景の中に隠された手掛かりを探す。

 トランプ大統領自身は、自分がクリスティのファンだと認めたことはない。しかし、その戦術、あるいは本能は、クリスティ的な視点から見れば分かりやすいかもしれない。トランプ大統領がとんでもない発表をして皆の注意を集める騒ぎを引き起こしている時は、投資家はその騒ぎの中で、どんな死体が始末されているのか考えるべきなのだ。