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1992年に世界が国連気候変動枠組み条約に調印してからすでに4半世紀以上がたつ。しかし、依然問題解決に向けた大きな進展は見られず、異常気象などの気候変動問題は悪化の一途をたどる。複雑にからむ利害関係や当事者意識の薄さが裏目に出ており、一方的な措置を講ずる可能性も出始めている。

 1992年、世界各国のリーダーがブラジルのリオデジャネイロに集まり、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)を締結してからすでに4半世紀以上がたつ。この条約は、大気中の二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの濃度が「気候システムに対して危険な人為的干渉を及ぼすレベル」に達するのを回避するために結ばれた。

 今日、UNFCCCにおける取り決めを実行に移す必要性は日に日に高まるばかりだ。大気中の二酸化炭素濃度は絶え間なく増え続けている。世界の平均気温も19世紀の産業革命前と比べて約1度上昇した。大気中の二酸化炭素量と気温上昇の因果関係は、科学的に疑問を挟む余地がない。最近の極端な異常気象は、気候変動の進行が関与している可能性が高い。恐らく今後も、危険な水準に到達するまで悪化するだろう。

 一方で、世界はすでに、気候変動問題に対処する体制を整えつつある。化石燃料に頼らない風力発電や太陽光発電は、莫大な補助金の後押しで技術が発展し、今や原子力発電や水力発電とともに電力供給の一端を担うまでになった。本誌(The Economist)の技術面でも触れているように、飛行機や自動車などの輸送動力や製鉄やセメントの製造動力のような、電力での代替が難しい動力、そしてオフィスや家庭の暖房に関しても、未来の技術で脱炭素化できる日はそう遠くないだろう。