ゴーン氏の逮捕を受け、日産やルノーの株価が急落した。こうした「キーパーソンリスク」が広く存在する。カリスマ経営は盛衰を経てきた。現在は、創業者が経営するIT企業の興隆などでリスクが拡大している。企業に有利な議決権に対する保障、財務構造の簡素化、任期の明確化がリスク回避策として挙げられる。

ゴーン氏が逮捕されたとのニュースを機に、企業統治の在り方への関心が高まった(写真=AFP/アフロ)

 カルロス・ゴーン氏ほど激しい転落を経験した経営者はまずいない。同氏は11月16日の時点では、仏ルノー、日産自動車、三菱自動車という自動車3社の会長を長く務め、皇帝のような振る舞いで知られる人物だった。

 ところが11月19日には、日本の司法当局に身柄を拘束されてしまった。5年間の有価証券報告書において、金銭報酬を約50億円過少に記載していたとの容疑だ。日産はこれを理由に同氏の会長職を解任した。

 ゴーン氏は自身の価値について、少なくとも別の数字で慰めを得ることができる。同氏の逮捕が報道されると、3社の市場時価総額は合わせて50億ドル(約5600億円)、7%減少した。投資家は、この複雑な3社連合をまとめていけるのは、この世でゴーン氏ただ一人ではないかと不安視する。しかしゴーン氏の名声は一気に地に落ちた。返り咲きは恐らく不可能だろう。