中国陝西省の小壕兔郷で地下水の汚染が疑われている。シェールガス開発に伴うフラッキングが原因となった可能性がある。石炭への依存を減らし、クリーンなエネルギーへシフトする政策が新たな汚染を生む懸念が拡大する。

 中国内陸部の陝西省にある小壕兔郷は、砂丘に囲まれているにもかかわらず、帯水層にたまった豊かな水に常に恵まれてきた。地元の農家たちはこの水を使ってトウモロコシを育てたり、平原で羊を飼ったりして生計を立ててきた。特にこの地方の羊肉は風味の良さで知られる。

小壕兔の水が汚染されていることをアピールするポスター(写真=ロイター/アフロ)

 しかし、1万7000人の住民にとってこの水は今、不信や怒りの源とさえなっている。住民は次のように訴える──巨大国有エネルギー会社、中国石油化工(シノペック)が10年にわたって何ら規制を受けることなく天然ガスを採取し続けた結果、地下水がひどく汚染されてしまった。

 「きれいな水を取り戻すことはもうできない」。住民の一人、リーさんは黒ずんだ小さなやぶを指さす。そこには生命の息吹など全く感じられない。地表からわずか数mのところに有害な掘削泥水が埋められている。掘削泥水とはガス井を建設した時に出る副産物だ。