中南米に位置し、独裁政権である点でも共通するブラジルとベネズエラに対して、中国は異なる外交姿勢を取る。だが融資となれば話は別で、返済不能と分かっているプロジェクトにも臆せず資金を投じる点については同じだ。中国が追い求めるのは友好関係ではなく経済的な影響力だが、債務返済不能リスクにどう対処するかは不透明だ。

 その昔、皇帝がはるか遠くの異民族たちと争いを繰り返してきた頃から、中国は感情に左右されない外交姿勢を貫いてきた。政治危機に苦しむ中南米の国、ブラジルとベネズエラに対する中国の振る舞いを見ると、そのやり方は当時とほとんど変わっていない。

ブラジル次期大統領ボルソナロ氏は「トランプ米大統領のブラジル版」とも呼ばれている(写真=AP/アフロ)

 ブラジルでは、極右で元陸軍大尉のジャイル・ボルソナロ氏が次期大統領に決まった。大統領選の間、同氏は派手で大衆迎合的な論戦を繰り広げ、中国はブラジルにとって脅威だと語った。遊説先では「中国はブラジルでモノを買っているのではない。ブラジルそのものを買いとろうとしているのだ」と声を張り上げた。これは中国がブラジルの油田や鉱山、港湾、大型ダムや送電線網を買いあさっていることに言及したものだ。2000年以降、中国によるブラジルへの直接投資は500億ドル(約5兆6600億円)近くに上る。