米国を代表する大手投資銀行、ゴールドマン・サックスの収益が苦戦している。これまで主な収益源としていた、レバレッジを利かせた取引が金融規制強化でできなくなってしまったからだ。投資銀行から商業銀行に進出しようとするも、これまでと大きく異なるカルチャーに果たして適応できるのか。

 世界有数の投資銀行、米ゴールドマン・サックスが利益を大幅に減らしたとしても、それが世界にとって最悪の問題になるわけではない。だが同社のニューヨーク本社の面々は、耐えがたいほどの屈辱を感じている。

 ゴールドマンは2008年と違って、金融危機に見舞われたのではない。08年、ウォール街全体が壊滅するのではないかと思われるパニック状態の中で、同社は業態を銀行持ち株会社に転換することを余儀なくされた。だが今、さらに深刻な危機に、いわゆるアイデンティティーの危機にひんしているのだ。

 ゴールドマンはかつて、業界のお手本として多くのライバルたちの羨望の的だった。たとえ投資銀行とトレーディングという2つの業務に邁進する姿勢が批判を浴びていたとしても、だ。