5年に1度開かれる中国共産党大会で、習近平総書記は「新時代の中国の特色ある社会主義思想」を打ち出した。この指導理念は「毛沢東思想」に並ぶ扱いとなる「習近平思想」として、党規約に盛り込まれる。習氏は絶対的な権力を強めることにこだわっており、政策などの中身は以前と変わらず曖昧な部分が散見される。

 10月18日に開幕した 5年に1度の中国共産党大会の開催前から、治安当局は過剰なまでの監視体制を敷いた。会場のある天安門広場の脇を走る大通り、長安街一帯では火の使用が禁じられた。飲食店や家庭では食事が作れなくなり、喫煙者はみじめな思いをした。市外から入る車は検問所で止められ、1週間にわたる党大会の開催中に一切の問題を起こさないと記された誓約書に署名させられた。

 外国人はチベットへの旅行を禁じられた。首都北京からチベットは、ゆうに1000マイル(約1600km)は離れている。だが、はるかかなたのチベットであっても、旗を掲げた独立支持者がいれば北京でのイベントが台無しになりかねないと中国共産党は恐れている。

 これほどの「被害妄想」から分かるのは、中国共産党が党大会をいかに重要視しているかということだ。党大会は、秘密裏に口裏を合わせた事前の決定事項を、党内で民主的に決めたと見せかけるために開催される。だがこの決定事項が持つ影響力は重大だ。