経済が持ち直しつつあるフランスで、その回復を妨げかねない深刻な問題が発生している。失業率は9%と依然高いが、多くの企業がスキルを持った人材の獲得に苦労しているのだ。政府も職業訓練制度を充実させるなど対策に乗り出しているが、改善には時間がかかりそうだ。

 フランス西部の都市、ナントから50kmの地にある町、ショレ。ここにある工場では大きな粘土の塊が成形され、乾燥を経た後にセ氏1000度の窯に入れられ、焼かれている。こうして作られたテラコッタ建材はその後、各建設会社に出荷される。

 工場を所有するブイエ・ルルー社はテラコッタ建材のフランス最大手メーカーで、ここ最近の同国の経済回復に貢献している。しかしながら成長にブレーキをかけかねない要因が1つある。改革を志向する政府の下でフランス経済が回復に向かっているにもかかわらず、人材確保が困難なのだ。

 「熟練、非熟練問わず、現在の労働者が置かれている雇用環境は厳しい。需要と供給の不均衡が存在している」とヘルメットをかぶり、ネービーブルーのシャツの上に安全ベストを着込んだブイエ・ルルー社のCEO(最高経営責任者)、ロラン・ベスナール氏は語る。