10月24日から中国共産党の重要会議「6中全会」が開催される。来年に控える5年に1度の党大会に向けて、党内の権力争いはさらに激しさを増しそうだ。「政治の季節」に入る中で、好調とされてきた消費の変化など経済の動きには一層の注意が必要だ。

上海支局 小平 和良
化学メーカーや通信社での勤務を経て、2000年に日経BP社入社。自動車や金融、流通業の取材を担当した後、2014年4月から上海支局長。
<b>国慶節の祝賀会に出席する習国家主席ら共産党の最高指導部。来年の党大会に向け「政治の季節」が始まる</b>(写真=ロイター/アフロ)
国慶節の祝賀会に出席する習国家主席ら共産党の最高指導部。来年の党大会に向け「政治の季節」が始まる(写真=ロイター/アフロ)

 「反腐敗の影響はもちろん大きいよ」。銘茶の産地として有名な中国福建省のアモイ市で茶を生産・販売する張栄生氏は当然といった様子で話す。張氏は以前、日本の大手飲料メーカーに茶葉を卸していたこともある。その後、利幅の大きい中国国内での販売に事業を集中させた。だが、事業の状況は決して楽ではないという。

 理由の一つが、習近平氏が2012年11月に中国共産党総書記に就いてから進めてきた反腐敗活動だ。習政権は共産党の最高指導部である政治局常務委員経験者のような大物から地方の公務員に至るまで、汚職の摘発を徹底してきた。同時に公費による接待や贈答品の授受を禁じた。そのため、贈答品としての茶葉の需要も減少しているというわけだ。

 10月24日から共産党の重要会議である党中央委員会第6回全体会議(6中全会)が開かれる。今回の会議では、汚職の取り締まりを引き続き徹底するため、党の規律強化が議論されるとみられている。

 習氏は反腐敗活動をテコに自らの権力基盤を強化してきた。来年秋には、5年に1度の党大会を控えており、新たな常務委員が選出される。習氏が党総書記を続投するのは確実だが、他の常務委員の選出を通じてさらに安定した権力基盤を手にできるかが焦点となる。李克強首相の政治基盤である中国共産主義青年団(共青団)や江沢民・元国家主席の派閥などとのポスト争いも激しくなるとみられている。6中全会は本格的な「政治の季節」の始まりを告げる会議でもある。習氏の反腐敗もさらに苛烈を極める可能性がある。

次ページ 「成熟した消費に近づいてきた」