中国で公立校離れが目立ち始めた。詰め込み教育を嫌う親が、自由な教育方針を持つ学校や、海外の大学への進学を支援する学校に注目する。進歩的な教育はイノベーションの創生に貢献することが期待されるが、共産党は懐疑的な姿勢を崩さない。

 中国西部に位置する四川省の省都、成都に住むルビー・リさんは大学院で文学を修めた。中国の教育制度においてほぼ頂点に上り詰めたといってよいだろう。2人の子供の母親となったリさんは、自分が子供たちと同じ年ごろだった時に耐えたひどいプレッシャーや、帰宅後も延々と宿題に取り組む生活を、子供たちには経験させたくないと思っている。

 彼女は数年前、ビジネスマンの夫と相談して、長男を通常の幼稚園から転園させた。格式張らない柔軟な教育方針を持つ今の幼稚園に移って以降、長男はそれまでより楽しそうで、健康にもなった。加えて、家庭生活全体がより円満になったと彼女は話す。

 リさんは裕福なので、成都ウォルドルフ学校に子供を通わせることができる。同校は、20世紀初期に活躍したオーストリアの教育家、ルドルフ・シュタイナー氏が提唱した奇抜な哲学を実践する私立の学校だ。