世界の市場を襲った株価の乱高下は、長かった好景気の曲がり角が近いことを示唆している。10年前ほど経済が悪化することはないが、危機の影響は今も残り、次に取れる景気刺激策は限られる。金融政策にせよ国際協調にせよ政治的な主導が求められるため、時間のあるうちに予防策を講じる必要がある。

 ほんの1年前、世界各国の経済はそろって加速していた。2017年の成長率は、英国を除くすべての経済大国と大半の新興国で上昇。世界の貿易取引は拡大し、米国は好景気に沸いていた。中国のデフレ傾向も収まり、ユーロ圏でさえ好調だった。

10月11日、米国のダウ工業株30種平均は545ドル安と、大幅に値下がりした(写真=UPI/アフロ)

 しかし、18年は様相が一変した。10月10~11日には世界中の株式市場で株価が急落した。投資家が、成長の減速と米国の金融引き締めの影響を懸念したためだ。投資家がこうした懸念を持つのは今年2度目であり、懸念に至るには十分な理由がある。

 18年の世界経済が抱える問題は、景気の足並みがそろわないことだ。ドナルド・トランプ大統領の減税政策で、米国の4~6月期の経済成長率は年率換算で4%を超えた。失業率は1969年以来の低水準にある。だが国際通貨基金(IMF)は米国以外の経済大国はすべて2018年に成長が減速するとみている。また、各新興国は問題を抱えている。