ハリケーン被害を受けたプエルトリコについて、トランプ米大統領は債務の帳消しを示唆した。プエルトリコは今年既に大幅な債務再編を実施しており、金融市場への実質的な影響は小さい見通し。だが、リスクを度外視して高利回りを追う投資家や制度の不備を放置してきた米政府は、警告と受けとめるべきだ。

ハリケーン「マリア」が襲来し、プエルトリコに壊滅的な被害をもたらした(写真=ロイター/アフロ)

 米国の元財務長官、ローレンス・サマーズ氏(筋金入りの民主党員)が、ドナルド・トランプ米大統領(現在は共和党員を自認)を擁護することなど、めったにあるものではない。しかしこのほど、プエルトリコを巡り、その珍しい機会が訪れた。

 トランプ氏は10月3日、プエルトリコが発行した740億ドル(約8兆3000億円)に上る債券の保有者は、償還への期待に「別れを告げる」べきだと平然と発言し、米国市場に衝撃を与えた。当然のことながら、債権者は大慌てで資金の回収に走り、プエルトリコ債は暴落した。

 しかし、サマーズ氏はトランプ氏の発言に喝采を送った。サマーズ氏はトランプ氏のお株を奪うようにツイッターを使い、「(トランプ氏は)正しい。プエルトリコの債務は帳消しにすべきだ」とつぶやいた。サマーズ氏は経済学者で、本紙(英フィナンシャル・タイムズ)のコラムニストでもある。同氏はその後、本紙に対して次のように解説した。