トランプ大統領はメキシコとカナダとの新貿易協定に合意し、「貿易戦争は簡単に勝てる」と確信したかもしれない。しかし中国はメキシコとは違う。対米輸出が止まっても、中国が受ける打撃は比較的小さい。このまま米中の貿易戦争がエスカレートして世界に拡大した場合、損失を被るのは米国の側だ。

 「1つの国(米国)が事実上すべての相手国との貿易で巨額の損失を出しているとしたら、貿易戦争は良いことだ。簡単に勝てる」。米国のドナルド・トランプ大統領は今年3月2日、こうツイートした。ここに、同大統領の貿易政策の目的と手段が表れている。

 米国はカナダ、メキシコとの新貿易協定交渉で勝利したように見える。新協定に署名すれば、同大統領は自分が正しかったと確信するだろう。しかし、中国はメキシコとは違う。

 トランプ大統領は、相手国から買う商品よりも多くの商品を相手国に売れば、「勝った」と考える。また、相手国に売る商品よりも買う商品のほうが多い場合も、相手国のほうが失うものが多いのだから、保護貿易競争に「勝てる」と考える。