米国で上場企業の数が年々減っている。資本市場において、需要と供給の双方に変化が生じているからだ。供給面では、資金の貸し手が多様化し、未上場企業でも容易に資金を調達できるようになった。需要面では、新興企業の主流が資本集約的なものからアイデア集約的なものに移ったことが挙げられる。

非公開化をめぐる発言で、SECと和解したマスク氏(写真=ロイター/アフロ)

 イーロン・マスク氏が最近取っている首をかしげたくなる言動をどのように見るかは人それぞれだ。だが一つ、確実に言えることがある。同氏は自身がCEO(最高経営責任者)を務める米国の電気自動車メーカー、テスラを上場させたことを悔やんでいる。

 今年の8月、マスク氏はテスラを非公開化するだけの資金を確保したと発表した。その理由として、株価の上下を気にして従業員が仕事に集中できないことを挙げた。四半期ごとに決算を報告する義務があるため、短期的に利益を出す必要があり、長い目で見た会社の健全性を損ないかねないことにも触れた。上場していることで、テスラ株が空売りの脅威にさらされていることにも言及した。

 この発言を受けてテスラ株は反発、空売りでもうけようとしていた人々は損失を被った。その後、株主から株式を買い上げるための資金はマスク氏が言うほど十分にあるわけではないことが明らかになった。間もなくテスラの取締役会は非公開化しないことを正式に確認。テスラの株価は再び下げに転じた。現在、同社は投資家を欺いた疑いで捜査の対象となっている