原油価格が上昇を続けている。シェール革命で安定するかと思われたが、需給ともに不安定要素が多い。原油高の打撃は、米国では石油業界への恩恵で相殺されるが、新興国には追い打ちでしかない。ドル建て債務を抱える新興国は為替による調整がさらに重荷となる。米国の金融引き締めも逆風だ。

 原油価格は、いちばん上がってほしくない時に高騰するという特徴がある。例えば2007年だ。世界が既に金融危機に向かい始めているタイミングで1バレル当たり100ドルに迫り、世界経済の足を引っ張った。

 この意味では、今も上がってほしくないタイミングだ。ブレント原油価格は80ドル(約9100円)を超え、17年夏に比べ2倍近くに、16年の年初と比べると3倍に値上がりしている(下のグラフA)。原油価格が上昇したからといって即座に危機となるわけではないが、ただでさえ苦闘している新興市場にとっては、さらなる重荷となる。

需給がしまる
●ブレント原油価格の推移(A)
●世界の液体燃料の需給バランス(B)
出所:The Economist/トムソン・ロイター/米エネルギー情報局(EIA)

 原油価格が再び問題の種になるのは、やや意外な成り行きだ。5年前は、1バレル当たり100ドルを超える状態が、この先ずっと普通のことになると思われていた。