ベンチャー企業が独自の通貨を発行して資金調達するICO(新規仮想通貨公開)がブームとなっている。株式の上場(IPO)のような厳格な規制がなく、大まかな事業計画だけでIPO以上の巨額の資金が集まる。ドットコムバブルの再来を警告する声がある一方、推進派は仮想通貨の基盤技術の可能性を信じている。

ICOは金融業界において、2017年を代表するバズワードになった(写真=Bloomberg/Getty Images)

 インタープラネタリー・ファイル・システム(IPFS)は、米シリコンバレーを拠点とするベンチャー企業、プロトコル・ラボが考案したシステムだ。インタープラネタリー(惑星間)という名前が示すとおり、同社が抱く野心の大きさは並外れている。

 同社はIPFSを、利用していないコンピューターのストレージ空間を誰もが売買できるようにする目的で開発した。さらに、このストレージ市場での取引に使う特別な通貨単位まで用意している。それが仮想通貨*1「ファイルコイン」だ。

ICOブームで18億ドルが動く

 プロトコル・ラボが構想しているのは、コンピューティングの資源であるストレージを取引する世界的なスポット市場だ。ただし、その市場はまだ存在せず、一片のオープンソースソフトウエアに込められた計画にすぎない。それでも、ファイルコインを購入した投機家たちは、そのようなことは気にかけていないように見える。