米国で、法人減税をめぐる議論が滞っている。歳入減を補う唯一確実な方法は、米国企業が海外に滞留させている現金への課税だ。だが、この手法は3つの理由で効果がない。投資の活性化につながる方策を考える必要がある。

 ホワイトハウスはずっと前から、税の抜け穴を塞ぎ、税控除を撤廃して、減税の財源にすると約束してきた。減税分を補う方策を探している米連邦議会がほぼ確実に取り上げる策が一つある。米国企業の海外子会社が積み上げている膨大な現金への課税だ。

 両院合同租税委員会の試算によれば、2015年現在、米企業の海外子会社は合計2兆6000億ドル(約280兆円)の利益をため込んでいるという(ドナルド・トランプ大統領はこの額が3兆~5兆ドル=約320兆~540兆円=に上るとしている)。

 だが、残念なことに、この現金を米国内に還流させても、恩恵にあずかることができるのは株主だけで、それ以外の誰の利益にもならないだろう。