トランプ大統領は現在進行するドル高を、自らが復活させつつある米国の強さの表れと喧伝したいところだろう。だが、その原因はFRBが進める利上げにある。加えてドル高は、貿易赤字の縮小を図る同氏の政策と相反する。貿易戦争をあおる姿勢は、中国・ロシアをはじめとする諸国のドル離反を招く。

ベンジャミン J. コーヘン氏
米カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授。国際通貨関係や米国の経済外交政策が主な研究テーマ。米プリンストン大学と米タフツ大学を経て1991年から現職。

 ドルは今年に入って8%余り値上がりした。10年以上にわたって遭遇したことのない高値に近づいている。市場の指標は、ドルが今後数カ月にわたって一段高を目指すと示唆している。

<span class="fontBold">ドル高は、米国の強さの表れなのか</span>(写真=ユニフォトプレス)
ドル高は、米国の強さの表れなのか(写真=ユニフォトプレス)

 ドル高は一見すると、「米国を再び偉大にする」と約束して大統領の座を勝ち取ったドナルド・トランプ氏の功績にみえる。成長加速を目指すトランプ氏の経済政策が機能していることを意味すると、受け止められるかもしれない。だが詳細に見ると、物事はそんなに単純ではないことが分かる。実際のところ、トランプ氏はドルの凋落を促しかねない。

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