中国に住む朝鮮族が外国に移住する動きが強まっている。180万の人口のうち100万人が既に海外で暮らす。彼らが朝鮮から中国に移った原因は日本統治にあった。彼らが暮らす自治州を韓国民族主義者は朝鮮領とみる。核問題が解決すればこの地の経済が発展するとの説もあるが、中国の現政権は成長減速という「現実」を注視する。

延吉市でコチジャンなどを商う販売業者(写真=ユニフォトプレス)

 北朝鮮との国境にほど近い中国東北部の延吉市。川辺で開かれる市場では、マッコリで満たされた背の高いかめが客を待ち受ける。ずらりと並んだ赤いプラスチック製のボウルから、エプロンをつけた給仕係がキムチなどをよそう。近くの架台式テーブルには肉屋が皮をはいだ犬肉3匹分が置かれている。

 同市は延辺朝鮮族自治州の州都だ。早朝市場には延辺特有の文化があふれている。若者は中国語と朝鮮語で雑談する。店の看板には両方の表記が並ぶ。

 中朝国境の中国側には朝鮮族が暮らす区域が2つある。規模は延辺が大きい。だが延辺の「朝鮮っぽさ」はこの30年で薄れてきた。朴と名乗る屋台の主人は、成人したおいとめいはみな日本や韓国に渡ったと話す。彼は、そこでは地元の3倍のカネを稼げると考えている。