トランプ大統領のかつての側近を司法が処断し始めた。同大統領の地位に暗雲が垂れ込める。一方、捜査を率いるモラー特別検察官の前途にもリスクが立ちはだかる。第1は解任。第2は恩赦。そして第3は、米国の司法制度に組み込まれたある仕組みだ。

ロシアゲート疑惑を捜査する特別検察官に指名されたモラー氏(写真=AP/アフロ)

 その日(編集部注:8月21日)はロバート・モラー特別検察官にとってそれまでで最高の一日となった。ドナルド・トランプ米大統領にとっては最悪の日だったということだ。

 2016年に実施された米大統領選挙でトランプ陣営の選挙対策本部長を務めたポール・マナフォート氏が詐欺など複数の罪状で有罪評決を受けた。その数分前には、トランプ氏の個人弁護士だったマイケル・コーエン氏が、元有名ポルノ女優およびモデルとトランプ氏との過去の不倫関係を隠蔽すべく連邦法に反する行為を働くようトランプ氏から指示を受けたと認めた。マナフォート氏とコーエン氏には8つの罪状に対して有罪の判断が下された*1

 この展開から、モラー特別検察官の捜査がトランプ氏本人に迫りつつあることがはっきりとうかがえる。