トランプ氏が大統領に就任して半年が経過した。この間、同氏が掲げた経済政策はほとんど前に進んでいない。減税しかり、インフラ投資しかりだ。こうした実態を反映することなく株価は高値を保つ。いずれ調整局面が訪れるのは避けられない。

米国のドナルド・トランプ大統領が就任して半年が過ぎた。今なら同政権が進める経済政策と米経済の見通しを、より一層の確信を持って評価できるだろう。言えるのは、矛盾をはらむ事態が多数存在しているということだ。これはトランプ政権が取り組む政策全般についても当てはまる。

中でも難題は、金融市場が示す実績と実体経済の間に生じているズレだ。株価が最高値を更新し続ける一方で、2017年上期の平均成長率はわずか2%。(編集部注:成長率の低さが問題視されていた)オバマ政権時代よりも低い値にとどまる。下期についても大きな改善は見込めない。
トランプ氏が自ら打ち出した政策を推し進めて経済の成長を促し、企業の利益を増大させる、という投資家らの期待はいまだ実現していない。加えて、賃金の伸びは低迷しており、インフレ率は、米連邦準備理事会(FRB)が掲げる目標値に到達していない。つまり、FRBは金利を正常化させるペースを予想よりも落とさざるを得ない。
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