不動産開発に石油化学、材料など、タイ主要産業の大手が軒並み環境を意識した取り組みを始めた。廃棄物の不正輸入やプラスチックゴミによる海洋汚染など環境問題が深刻化している。国のエネルギー政策も環境に揺さぶられる。石炭火力発電の市場が急速に縮む可能性が出てきた。

バンコク支局 飯山 辰之介
2008年、日経BP社入社。製造業や流通業などを担当。13年、日本経済新聞に出向。15年に日経ビジネス編集部に復帰し、17年9月からバンコク支局長。
<span class="fontBold">根強い反対運動によりタイ南部の石炭火力発電所の建設計画は延期に</span>(写真=AP/アフロ)
根強い反対運動によりタイ南部の石炭火力発電所の建設計画は延期に(写真=AP/アフロ)

 環境問題の解決にタイの大手企業や政府が相次ぎ本腰を入れている。不動産開発大手のマグノリア・クオリティー・デベロップメント(MQDC)は6月末、タイ石油公社(PTT)の石油化学子会社などと組み、廃棄プラスチックを活用した建材を開発して自社物件で利用していく方針を明らかにした。バンコク近郊で開発する複合施設の歩道などに使う計画だ。「廃棄物を再利用した建設材料は幅広く受け入れられるだろう」(MQDCのウィシット・マライシリラットCEO=最高経営責任者)

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日経ビジネス2018年8月6日・13日号 88ページより目次

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