高級食品スーパーの買収を発表した後も、米アマゾンの進撃が止まらない。小売りとITに続いて「破壊」するのは、サービスか金融か物流か。アマゾンの一挙一動に、あまたの企業がおびえている。

シリコンバレー支局 中田 敦
1998年、日経BP社入社。日経コンピュータやITproの記者として、クラウドやビッグデータ、人工知能を担当。2015年4月からシリコンバレー支局長。

 米アマゾン・ドット・コムが新事業を発表するたび、その業界の既存企業の株価が急落する現象が相次いでいる。7月10日にアマゾンが、音声で操作できるエアコンなど「スマート家電」の取り付けや設定を支援する「スマート・ホーム・サービス」を開始すると、大手家電量販店チェーンの米ベストバイの株価が6.3%下落した。ベストバイが展開する消費者向けIT(情報技術)サポート「ギークスクワッド」と競合すると見なされたからだ。

 アマゾンのスマート・ホーム・サービスは、同社の社員が利用者の自宅に出向いて、無線LANを設定したり、スマート家電をアマゾンのAI(人工知能)スピーカー「エコー」と連携させたりする。アマゾンがモノの販売だけでなく、モノを購入した消費者をサポートするサービスにまで手を出し始めたわけだ。

 7月17日にアマゾンが食材キットの宅配サービスのテストを始めたと報道されると、同業で6月に上場したばかりの米ブルーエプロン・ホールディングスの株価が10.7%下落した。6月にアマゾンが137億ドル(約1兆5000億円)を投じて高級食品スーパーの米ホールフーズ・マーケットを買収すると発表した際には、米インスタカートの先行きを懸念する声が高まった。

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