7月1日にパリ南東部に開設された世界最大規模の起業家支援施設が注目を集めている。欧州を中心に世界から集結した1100社以上のスタートアップのほか、ネット大手、投資家が拠点を置く。陰の仕掛け人はマクロン大統領。フランスに新しい起業文化を根付かせることが狙いだ。

ロンドン支局 蛯谷 敏
2000年、日経BP社に入社。本誌編集部で06年から通信、ネット、金融、政治などを担当。日経ビジネスDigital編集長を経て14年4月からロンドン支局長。

 芸術の都パリが、スタートアップ熱に沸いている。7月1日、パリ13区に敷地面積3万4000平方メートルの巨大な起業家支援施設がオープンした。1920年代に建築されたターミナル駅舎を改装した施設の名は「スタシオンF」。広大なスペースには、3000社超のスタートアップが収容可能だという。

 施設は、24時間利用可能なオフィスのほか、3Dプリンターなどを完備するワークショップ(作業場)、会議室やイベントホール、レストランなどを併設。近隣には600世帯が入居できるマンションも2018年に開業する。

「挑戦者に対して開かれた国になる」と語るマクロン大統領(右端) (写真=代表撮影/AP/アフロ)

 AI(人工知能)やロボット関連を中心に、1100社のスタートアップが既に入居。米フェイスブックや米マイクロソフトが起業家育成プログラムを展開する。ベンチャーキャピタルも20社がオフィスを構え、事業運営と資金の両面で起業家をサポートする体制が整っている。