米ホールフーズの買収を発表し食品販売事業を拡大するアマゾンが、早くも海外展開に着手する。目指すのは、世界第3の市場規模を持つインドだ。インドでは、既存の大手電子商取引企業がこの市場で苦戦を強いられてきた。アマゾンは成功できるのか。

インドで営業するある食品店の様子(写真=AP/アフロ)

 ニューデリーの焼けつくような夏の午後、67歳のアシュム・バガットさんは汗まみれになりながら、パンを買おうと食品店に入った。だがこの日4軒目の店でも、パンは売り切れていた。「今日は誰もがパンを売り切れにすると決めたみたいだわ」とバガットさんは嘆く。

 インドの食品市場は売上高4280億ドル(約49兆円)で世界第3位の規模を持つ。だが大抵の人にとって買い物は日々続く戦いだ。在庫が限られるため、消費者は店から店へと歩き回らなければならない。

 こうした状況にもかかわらずインドの消費者は、国内最大手の一角がスーパーを開店しても、ウェブサイトを開設して食品をオンラインで注文できるようにしてもおよそ無関心だった。