西欧とロシアは、新たな冷戦の中にある。これが歴史の必然か否かは意見が分かれるところだ。一方、欧州ポピュリズム政党とプーチン政権は、現行の国際秩序を共通の敵として歩調を合わせる。この紐帯のトリガーとなったのは、かつて取り組んだ新自由主義が国民の一部に残した疎外感だ。

英ワーウィック大学名誉教授。ケインズ研究の第一人者として知られる。著書は『なにがケインズを復活させたのか?』『じゅうぶん豊かで、貧しい社会』(共著)などがある。
ロシアで開催中のサッカー・ワールドカップ(W杯)を目当てに、ロシアの各都市に100万人のファンが集まっているといわれる。欧州や米国からやって来るファンも多い。
これに目を奪われていると、ロシアと欧米との間にどれほどの溝が生じているかを見失う恐れがある。両者の関係は今日、純粋に実用面に限られている。新たな冷戦が始まっているのだ。

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