巨大IT企業の一員、ネットフリックスは今や、全世界のインターネット下り回線の2割を利用する存在感となっている。規制当局や政治家と衝突することもなく、全世界にビジネスを展開するしたたかさから学ぶべき点は多い。しかし、市場を伸ばすに従い競争が失われるリスクがあるだけに、現在の成長が今後も続くとは限らない。

米ハリウッドにある、ネットフリックスのオフィス(写真=Splash/アフロ)

 巨大IT(情報技術)企業には、常に正反対のイメージが付きまとう。投資家たちが、「FAANG」銘柄と呼ばれる米国のフェイスブック、アマゾン・ドット・コム、アップル、ネットフリックス、アルファベット(グーグルの親会社)といった「テック・ジャイアント」たちを愛するのは、これらが輝かしい成長力と壮大な野望を持っているからだ。FAANGの価値は、英FTSE100種総合株価指数の時価総額を上回る。この5社が成長していなければ、米国株はとっくに下落していただろう。

 一方で反発も大きい。彼らはデータ流用から市場独占、税金逃れ、スマホ依存症に至るまで、さまざまな問題で物議を醸している。テック・ジャイアントは政治家が喜々として真っ先に攻撃する企業でもある。

 だが、急伸する株価とさまざまな疑惑がセットとなって語られるFAANGの中で唯一、ネットフリックスだけは例外だ。1997年の創業以来、同社はDVDレンタルサービスから新興の動画配信企業となり、そして今、世界で初めてのグローバルなテレビ局として変貌を遂げつつある。