アップルが6月、アマゾンやグーグルの後を追って、AIスピーカー市場に参入した。IT端末の「次世代OS」となる音声アシスタントの覇権を争う激戦市場だからだ。だが、アップルはAIではなくスピーカーの性能を強調した。それはなぜなのか。

シリコンバレー支局 中田 敦
1998年、日経BP社入社。日経コンピュータやITproの記者として、クラウドやビッグデータ、人工知能を担当。2015年4月からシリコンバレー支局長。

 大方の予想通り、米アップルが6月のイベントでAI(人工知能)スピーカー「ホームポッド」を発表した。スマートフォンやタブレットの成長は減速、パソコンの出荷台数も前年割れが続く。AIスピーカーはIT(情報技術)端末の中で唯一の成長株だ。

アップルが発表したAIスピーカーの「ホームポッド」

 先行するのは米アマゾン・ドット・コム。2014年11月に「エコー」を発売した。エコーは音声アシスタント(音声を媒介とするAI)の「アレクサ」を装備しており、「水を注文して」「照明をつけて」と話しかければ、買い物をしたりスマート家電を操作したりしてくれる。スマホを取り出す必要がなくなる利便性が米消費者の心をつかんだ。16年の年間出荷台数は800万台を超えたとみられる。

 米グーグルも16年11月にAIスピーカー「グーグルホーム」を発売。OS(基本ソフト)「アンドロイド」と同じく、音声アシスタントの「グーグルアシスタント」を備える。