eコマースの競争力強化に腐心してきた米ウォルマートの努力が、ようやく実を結びつつある。その立役者は、ウォルマートが買収したジェット・ドット・コムの創業者、マーク・ロア氏だ。全米で約4700に上る店舗と160万人の従業員というアセットを活用してアマゾンを追撃する。

ニューヨーク支局 篠原 匡
1999年、日経BP社入社。金融・不動産や遊軍担当、日経ビジネスオンライン記者、日経ビジネスクロスメディア編集長を経て2015年1月からニューヨーク支局長。

 それぞれの“賭け”は今のところ吉と出ている。

 eコマースの競争力強化に腐心してきた米ウォルマート・ストアーズ。2017年2~4月期の同事業の販売額は前年同期比63%増と大きく伸びた。昨年8月に30億ドルで買収した会員制ネット通販ベンチャーのジェット・ドット・コムと、同社のCEO(最高経営責任者)からウォルマートのeコマース部門責任者に横滑りしたマーク・ロア氏の影響だ。

<b>ウォルマートのeコマースを立て直したロア氏</b>  (写真=AP/アフロ)
ウォルマートのeコマースを立て直したロア氏 (写真=AP/アフロ)

 ウォルマートのダグ・マクミロンCEOにとって、eコマースの競争力強化は喫緊の課題だった。

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日経ビジネス2017年6月19日号 110ページより目次

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