中国ネット通販大手の京東集団が、米アマゾンに先駆けてドローンによる配送を実用化した。商品をまとめて地方の各村落までドローンで運ぶ。そこから先は配達員が各戸を回る。即日配達も可能だ。現在は内陸部の100村をカバーする。京東は規模の拡大をてこにコスト減を見込むが、採算が取れるかは不明だ。

 ある月曜日の昼前、中国東部、江蘇省にある張圩(チャンウェイ) 村は静まりかえっていた。鶏が道端を歩き回り、コッコッと鳴いている。農民が木製のすきを使って高速道路の路面に穀物を広げ、乾かしている。自動車が通れるよう、車線の片側だけを使ってだ。

 こんなのどかな村でも、中心部にあるコミュニティーセンターには、超近代的な物流の仕組みが発展し始めているのを暗示する物が2つ見て取れる。中庭に敷かれた円形の人工芝と、建物の前面に掲げられた京東集団(ジンドン)のロゴマーク入りの看板だ。京東は中国第2位のネット通販大手である。

 そのとき、低い飛行音が静けさを破り、地平線の向こうに角張った点のようなものが現れた。ドローン(無人機)だ。ドローンはうなりを上げながら近づき、上空で一旦停止すると、緑の人工芝の上にカマキリのように降下した。3つのプロペラが巻き起こす風で麦わらやほこりが舞い上がる。