自国の利益を優先する米国や中国、領土拡大を進めるロシアと、国力や軍事力にものをいわせる風潮がはびこっている。ルールと権利に基づくこれまでの世界秩序を回復するには、日本やドイツ、フランス、英国が一致団結することが必要だ。こうした「中堅国」が集団となって発言力を高めれば、独善的な行動に走る超大国とも「対峙」できるかもしれない。

 現在の国際政治はこれまで順守されてきた協定や行動規範、ルールを焼き尽くしてしまう炎のようになりつつある。世界秩序を維持する上で頼みの綱だったはずの米国は、今や世界の貿易体制を混乱に陥れているほか、地球温暖化防止やイランの核開発抑止を目指す国際協定からも離脱した。新たな大国として台頭する中国は、国際裁判所の決定や近隣諸国の訴えを無視し、南シナ海で軍事基地を建設し続ける。ロシアは隣国ウクライナの一部であるクリミアを併合してしまった。

非公式な同盟関係を結べ

 米国と中国は、国際合意の制約から抜け出し、力を振るって自らの目標を一方的に成就させたいという野望を強めている。ロシアは超大国と呼べるほどの経済力こそないが、核兵器を保有しており、領土拡大を進めている。そして、世界が少しずつ無法地帯化していく状況に大きく加担している。

 こうした現状はドイツ、フランス、日本、英国などの「中堅国家」にとってはジレンマだ。中堅国は超大国のように力で他国を威嚇することができない。だが世界経済と安全保障に利害関係を持つ国際的なプレーヤーの一員であり、ルールに基づく世界を必要とする。