中国内陸部に位置する貴州省は、国内でも指折りの貧しい地域だったが、今では多くのIT企業が拠点を構えている。急速な発展から取り残された地方の救済策として「ビッグデータ総合試験区」に指定され、企業誘致で優位に立つ。しかし、地方の近代化計画は党幹部候補の実績作りに終わりかねず、将来の見通しは不透明だ。

 中国南部、貴州省の省都貴陽市の郊外に、新しいテーマパーク「東方科幻谷」が開園した。園の中心にはパリの凱旋門より背の高いロボットがそびえ立つ。スタッフは宇宙船の乗組員さながらの青と銀の制服を身にまとい、SF「スター・トレック」に出てくるバルカン人のようなあいさつをしてくれる。

 呼び物は屋内のローラーコースターだ。乗客は1人ずつVR(バーチャルリアリティー)用ヘッドセットをつけ、未来都市の上空で行われる空中戦の中を飛び回る感覚を味わう。屋外では黒い制服を着て、長い棒を手にした警備員たちが恐ろしげな雰囲気を醸し出す。

貴州は中国の中でも貧しい地域
●中国地域別の1人当たりGDPとインターネット普及率
出所:The Economist/National Bureau of Statistics/CNNIC

 このような光景は、貴州省には不釣り合いに思える。山の多い同省は中国の中でも特に貧しい地域だからだ。同省の人口は約3500万人。そのうち400万人以上が1日1.9ドル(約208円)以下で生活しているという。2016年のインターネット普及率は45%に満たなかった。(上地図参照)