中国の発展が著しい。経済の成長はもちろん、対外政策やソフトパワーの拡充にも見るべきものがある。西側民主主義諸国が課題を抱える中、「中国をまねよ」との主張が説得力を持つ。だが、その主張には見落としがある。中国政権が政策を誤った時、その軌道を修正できるだろうか。

バリー・アイケングリーン氏
米カリフォルニア大学バークレー校教授。国際経済学(特に国際通貨体制)、経済史の第一人者。2018年6月、ポピュリズムの歴史などを考察する『The Populist Temptation』を出版した。

 中国はじきに世界有数の経済大国、そして地政学的にパワーを振るう存在となるのだろうか。それとも一部でいわれているように、既にそうした地位を手にしているのか。もし、どちらの質問に対する答えもイエスならば、それは世界の民主主義に今後どのような影響を与えるのだろうか。

 経済指標を見れば、中国の躍進がはっきりと見て取れる。今後20年以内にGDP(国内総生産)で米国を追い抜く勢いだ。ただし、それが具体的にいつなのかは、両国の経済成長率および人民元とドルの交換レートをどのように設定するかによって変わってくる。

 中国は既に世界で一、二を争う貿易大国となった。元の国際化を推し進めてきた結果、元建て決済による貿易も増えた。世界で最も力のある通貨ドルに元が挑戦する可能性もある。