米石炭産業が活況を呈し、一度は“倒産”に追い込まれた企業が市場への復活を果たしている。背景は需給の引き締まり。発電用、製鉄用ともに世界中で需要が拡大。一方、自然災害などの影響で供給は滞る。皮肉なことに今後の懸念はトランプ大統領だ。鉄鋼に課す輸入関税が足を引っ張る恐れがある。

発電用、製鉄用ともに、石炭の需要が世界的に高まっている(写真=ロイター/アフロ)

 ドナルド・トランプ米大統領は2016年の選挙戦中、国内石炭産業を復権させるとしばしば約束した。だが石炭労働者から見て、その約束はいまだ果たされていない。米国で採炭に携わる労働者の数は、17年1月に同大統領が就任して以降、わずか800人増えただけだ。しかも昨年10月以降は減少トレンドに転じている。

 しかしながら、石炭産業に投資している一部の投資家にとって、過去15カ月間は実り多いものだった。一部の米石炭会社が好業績を上げたからだ。ただし、この好業績とトランプ大統領が進める政策とはほとんど関係がない。