あらゆるサービスの申し込みがオンラインで済む米国で、揺り戻しが始まった。米郵便公社は4月、デジタルサービスの申込者に指紋登録を求め始めた。本人確認のリアル回帰が進む背景には、なりすまし詐欺の深刻化がある。

<span class="fontBold">米郵便公社のクラブ氏。「利便性のためにセキュリティーを犠牲にしてはならない」と語る</span>
米郵便公社のクラブ氏。「利便性のためにセキュリティーを犠牲にしてはならない」と語る

 「デジタルサービスの利用者に対して、指紋登録を求めることになった」。米郵便公社(USPS)でCISO(最高情報セキュリティー責任者)を務めるグレゴリー・クラブ氏は4月17日、企業のセキュリティーを議論する会合で、4月から、利用者の本人確認に生体認証を取り入れたことを明らかにした。

 対象は「インフォームドデリバリー」。郵便物の配達予定を利用者に事前に通知するサービスだ。USPSが郵便物を集荷した時点で宛名面をスキャンし、その画像データを利用者のスマートフォンアプリに無料で送信する。2014年に開始した。

 米国では郵便物が不着になることが珍しくない。利用者は従来、不着があっても、その事実に気付きようがなかった。インフォームドデリバリーは郵便制度が長年にわたって抱えてきた欠陥の解消を狙う。

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