米共和党の主流派を代表する人物、ポール・ライアン下院議長が引退を表明した。同氏は、生まれた境遇にかかわらず、米国民が人生を切り開いていける理想を説き続けた。今や、このライアン氏の正反対をいくトランプ大統領が同党の顔となる。共和党は「トランプ党」への道を進む。

 「孤独感」は政治の世界で強力に作用する。「私が民主党から離れたのではない。民主党が私の元から去ったのだ」。米大統領を務めた故ロナルド・レーガン氏は、50代にして共和党にくら替えした理由を思い返す際、こう説明するのを好んだ。

ポール・ライアン氏。同氏が大事にする家族愛は、米国の保守派が重視する美徳の一つだ(写真=ロイター/アフロ)

 4月11日、一人の人物が政界を引退する理由を語った。米下院議長を務めるポール・ライアン氏が、今年11月に行われる中間選挙に出馬しないとの意向を表明したのだ。

 共和党の副大統領候補になった経験も持つライアン氏は引退の理由として、10代の子供が3人いること、そして自らの父親が若くして亡くなったことを挙げた。議員をもう1期続ければ自分は子供たちにとって「週末にしかいない父親」になってしまう。