独フォルクスワーゲン(VW)は新CEOにVW乗用車ブランドを率いてきたヘルベルト・ディース氏を任命した。同ブランドの業績を改善した手腕が評価された。同氏はコスト削減で対立していた労組との関係も修復した。排ガス不正後のつなぎ役だったミュラー氏に代わり、自動運転・EV時代に向けた改革に本腰を入れる。

ヘルベルト・ディース氏。険悪だった従業員協議会との関係を安定に導いた(写真=ユニフォトプレス)

 ドイツのウォルフスブルクにあるフォルクスワーゲン(VW)の本社で、ヘルベルト・ディース氏は1万人を超える従業員を前に演壇に立った。同氏がマイクを握ると口笛やブーイングが湧き起こり、話し始めるまで数分間待たなければならなかった。

 これは2017年2月のことだ。ディース氏は15年の夏に、競合の独BMWからVWに移り、VW乗用車ブランドの責任者となった。17年2月は、同氏がこのポストに就いてから最悪の時期だった。ディース氏はまもなく解任される、と臆測するアナリストさえいた。

 しかし、この時以降、同氏に対する評価は急上昇し、今では、販売台数で世界一を誇るVWグループのトップに立とうとしている。