薪や石炭など、健康被害や環境汚染を引き起こす燃料で調理する人はアフリカ中心に世界でまだ約25億人いる。より効率的な調理コンロの利用を促しているが、結局元の方法に戻る等、持続的な改善にはつながっていない。アジアではよりクリーンなイメージを持つ液化石油ガスに注目が集まるも、アフリカでの普及に向けた壁は高い。

屋内で火を使い調理する女性。煙を長時間吸うことによる健康被害が多発している(写真=Farm Images by Getty Images)

 小さな部屋に、薪の山が小高く積まれている様子を想像してほしい。薪に火をつけると部屋に煙が充満する。煙が部屋から出ていくよう扉を開け放すことはできるが、換気扇はない。調理が終わるまでの約1時間、火のそばにいて番をする。この作業を1日3回、調理のたびに繰り返す。

 これがファトウ・ヌドゥールさんの日課だ。彼女は居住スペースとは分けて建てられた、約2m四方の泥のレンガで囲われた台所内で食事を作る。セネガル中心部に位置するラムベイエン村は、いつも風が強く、普段は屋外で料理するのが難しい。

 換気について聞かれると、彼女は壁に1つ開いた約10cm四方の穴を指差した。村の女性たちもみな、近くの森から拾ってきた薪を使い、同様の環境下でコメやクスクス、肉入りのソースを調理する。