グラクソ・スミスクライン(GSK)は、ノバルティスと合弁で進めていた大衆薬事業を完全子会社化する。GSKはこの大衆薬事業で利益を上げ、低迷ぎみの医療用医薬品の研究開発に注力する考えだ。一方ノバルティスも、合弁事業の持ち株売却で得た資金で中核事業の強化を進めるものとみられる。

GSKのウォルムズリーCEO(左)とノバルティスのナラシンハンCEO(右)。共に大きな決断を下した(写真=左:ロイター/アフロ、右:AP/アフロ)

 欧州製薬大手ノバルティスと、英同グラクソ・スミスクライン(GSK)の就任間もない2人のCEO(最高経営責任者)が、それぞれの戦略と優先する事業について投資家に明確なシグナルを送ろうとしている。

 ノバルティスは3月27日、GSKと合弁で設立した一般用医薬品(大衆薬)事業について、36.5%の持ち株すべてを130億ドル(約1兆4000億円)でGSKに売却すると発表した。2月にCEOに就任したばかりのヴァサント・ナラシンハン氏は、予想を上回る早さでこの売却を決断した。

 一方、昨年4月にCEOに就任したGSKのエマ・ウォルムズリー氏は、大衆薬分野での同社の地盤を固めてきた。だが、同氏の考えをよく知る人々によると、低迷ぎみの医療用医薬品事業のテコ入れを最優先にしているという。大衆薬の販売で増えるキャッシュフローを有望な研究開発に投資できると同氏は期待している。