サントリーが2月、海外向け戦略商品「ロク」の英国展開を開始した。桜や煎茶など日本ゆかりの素材を使った高級ジンで、「日本発」を売りに世界2位の成長市場を狙う。秘策はウイスキーの展開ノウハウ。ジンの本場でお墨付きを獲得し、海外展開に弾みをつける考えだ。

ロンドン支局 蛯谷 敏
2000年、日経BP社に入社。本誌編集部で2006年から通信、ネット、金融、政治などを担当。日経ビジネスDigital編集長を経て2014年4月からロンドン支局長。

 バーテンダーが、勢いよく振ったシェイカーを手際よくグラスに向けて傾ける。中から現れるのは、白桃色の液体。グラスの半分ほどを満たし、ドライアイスに桜茶を注いで作ったミストを被せれば、和風カクテル「雪桜」が完成する。

サントリーが英国で2月に発売した高級ジン「ロク」。買収したビームとの共同開発の行方を占う戦略製品だ

 雪桜は日本酒と濁り酒を使ったマティーニで、少量の麹がアクセント。スッキリとした味わいのカギを握るのは、サントリーが販売する高級ジン「ROKU(ロク)」だ。

 サントリーは2月、このロクを英国で発売した。同社と、2014年に買収したスピリッツ世界大手ビーム(現ビームサントリー)が互いの知見を持ち寄り約2年かけて共同開発した。サントリーの海外成長をけん引する戦略製品と位置づけている。