中国の春節休暇が2月15日に始まり、今年も多くの中国人観光客が日本を訪れている。観光業や小売業にとって中国からの訪日客増はチャンスだが、政治情勢いかんで客足が冷え込むリスクも伴う。中国オンライン旅行代理店首位、携程旅行網(シートリップ)の孫潔CEOに中国旅行業の現状と展望を聞いた。

(写真=町川 秀人)
(写真=町川 秀人)
携程旅行網(シートリップ)CEO
孫潔(スン・ジエ)氏
北京大学を卒業後、米フロリダ大学に留学。米国の半導体関連企業などで働いた後、2005年にシートリップに入り、CFO(最高財務責任者)などを歴任。16年11月から現職。年に数度は日本を訪れる。

 問 シートリップは、オンライン旅行代理店として中国国内で5割超のシェアを握っています。成功の要因は何ですか。

 答 我が社のシェアがとても高いのは事実です。ただ、オンライン旅行業が旅行業界全体に占める割合はまだわずか12%。オンライン旅行業にはまだ大きな成長余地が残されています。

 成長の要因はいくつかあります。一つは技術に投資していること。顧客からの問い合わせ対応にAI(人工知能)を使うなど、ビッグデータやクラウドなどの技術開発に力を入れています。IT(情報技術)関連の業務に携わる従業員は7000人、米シリコンバレーから来ている技術者も多い。

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