タイの首都バンコクで、軍政に抗議する行動が活発化している。今秋にも実施される予定の総選挙が延期される気配が濃厚になってきたからだ。政治の安定を背景に回復してきたタイ経済に、新たな政治リスクが浮上した。

バンコク支局 飯山 辰之介
2008年、日経BP社入社。製造業や流通業などを担当。13年、日本経済新聞に出向。15年に日経ビジネス編集部に復帰し、17年9月からバンコク支局長。
<span class="fontBold">1月末、バンコク中心地の商業施設前で開かれた、軍政への抗議集会</span>
1月末、バンコク中心地の商業施設前で開かれた、軍政への抗議集会

 タイの首都バンコクで軍事政権への抗議行動が活発化している。今年に入り、毎週末に集会が開かれるようになった。軍政は5人以上が集まる政治集会を禁じており、当局に逮捕されるデモ指導者も出ている。それでも、抗議が収まる気配はない。

 1月27日には、都心の商業施設前に100人以上の市民が集まって集会を開いた。代表者の一人が「(軍政は)今回も約束を破るのか」と叫ぶと、聴衆はこれに応えて「(軍政は)出て行け」とシュプレヒコールをあげた。

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