ドイツで、メルケル首相率いる第1党のCDU・CSUと、第2党のSPDが大連立で合意した。昨年9月の総選挙で国民がノーを突き付けた組み合わせだ。変わらない政策は多くの人の失望を招いた。舞台は合意承認をめぐるSPD党大会へと進む。一度は下野を決めた同党が合意を承認する保証はない。

 「大連立とは倒錯した性行為のようだ」──。西ドイツ時代に社会民主党(SPD)を率い、首相を務めた故ヴィリー・ブラント氏はこう考えていたといわれる。同氏が意図したのは、主義主張の異なる中道右派政党と中道左派政党による連立は不自然なもので、避けるのがいちばんだということだ。

 短期に終わった1件の例外を除き、戦後ドイツの政治家たちは2005年まで、この考えに沿った政治に取り組んできた。だが05年から今日までにアンゲラ・メルケル首相は2度、大連立政権を率いている。様々な党に国民の支持が割れ、十分な議席を獲得する政党が現れなかったことが背景にある。

 同首相は2月7日、自らが率いる中道右派のキリスト教民主同盟(CDU)とその姉妹党であるキリスト教社会同盟(CSU)、およびSPDが新たな大連立を組むことで合意したと発表した。