北大西洋条約機構(NATO)内で影響力を持つトルコと、他の加盟国との関係がぎくしゃくしている。独裁色を強めるエルドアン大統領は、NATOに派遣していた軍関係者を次々失脚させ、反NATO体制の布陣を敷く。地対空ミサイルを購入するなど、ロシアと関係を深めている点も、安全保障上問題があると西側から指摘されている。

 ドナルド・トランプ政権下の米国、そしてロシアが進める積極的な軍事行動とどのように付き合うか。この2つが今、北大西洋条約機構(NATO)の最重要課題であることは間違いない。

 だが、これらの問題の背後に忍び寄るのがNATOの中で孤立しつつあるトルコの存在だ。トルコはNATO加盟国中2番目に大きな軍隊を持つのみならず、地政学的にも西側と東側を隔てる極めて重要な場所に位置している。このことが、事態をよりやっかいにしている。

 何をしでかすか分からないだけでなく、政治的にも国家主義的な路線に突き進んでいるため、NATO内の他の同盟国に対して負う責任との間に食い違いが起こるのではと懸念されている。