アマゾンがJPモルガン、バークシャーとともに従業員の健康保険を管理する新会社を設立した。医療保険大手などに牛耳られている米ヘルスケア業界に風穴を開け、医療費の企業負担を下げる狙いだ。将来的には他企業も巻き込み業界の変革を目指すというが、既存の体制を打破するのはなかなか難しい。

 米アマゾン・ドット・コムは1999年に、医薬品や化粧品のネット小売業者、米ドラッグストア・ドット・コムの大株主になった。このときアマゾンのジェフ・ベゾスCEO(最高経営責任者)は、薬局業界でも、書籍業界と同様の変革をもたらせると考えていた。実店舗の薬局からシェアを奪い、消費者のために薬価を押し下げることができる、と。

 しかし、ことは思うように進まなかった。アマゾンがぶつかった主な問題は、現在も変わらない。

 米国のヘルスケア業界は「大きすぎて破壊的革新を起こせない」といわれている。すなわち、一握りの大手が市場の大半をがっちりと支配してしまっている。複雑に入り組んだ規制に対応するのに高額な費用がかかるため、小さな企業が参入し、有望な挑戦を始めることができない。